Railsで複数のセッションを用いたintegration testを行う方法

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wakairo @wakairo
最終更新

別々のブラウザから複数のユーザがログインするような状況を再現したintegration testを実装しようとするときなど、 ユーザごとにセッションが必要になるなどして、 1つのテスト内で複数のセッションが必要になることがあります。

Ruby on Railsのintegration testでは、 標準でこのような複数のセッションを用いるテストに対応しており、 公式ドキュメントの中では、ActionDispatch::IntegrationTestのAPIドキュメントに説明があります。

複数のセッションを用いたintegration testの例

公式情報は上述のAPIドキュメントをご覧いただければと思いますが、一応こちらでも簡単な例を使ってintegration testで複数のセッションを用いる方法をご紹介します。

ここではテスト内容として、ログインしているユーザが列挙されるページをテストすることを想定してテストコードを考えます。 具体的には、ユーザ1がログインするとこのページにユーザ1が現れ、 続けてユーザ2がログインすると今度はユーザ1とユーザ2の両方がページに現れることを確認します。

シンプルにopen_session()でセッションを作って用いる場合の例

複数のセッションを用いる場合に鍵となるメソッドは、open_session()です。 このメソッドはセッションのオブジェクト返しますので、必要なセッションの回数分呼び出せば、必要な数のセッションが作成出来ます。 セッションを複数作成したら、各セッションのオブジェクトのインスタンスメソッドとしてget()やassert_response()を呼び出すことで、 セッションを指定してアクションやアサーションを実行できます。

以下にサンプルコードを示します。

require "test_helper"

class MultipleSessionTest < ActionDispatch::IntegrationTest

  test "login users page" do
    user1 = users(:one)
    user2 = users(:two)

    sess1 = open_session
    sess2 = open_session

    sess1.get login_path
    sess1.assert_response :success
    sess1.post login_path,
               params: { {email: user1.email,
                          password: user1.password} }
    sess1.assert_response :found
    sess1.assert_redirected_to root_path
    sess1.follow_redirect!

    sess1.get login_users_path
    sess1.assert_response :success
    assert_match /@#{user1.username}/, sess1.response.body
    assert_no_match /@#{user2.username}/, sess1.response.body

    sess2.get login_path
    sess2.assert_response :success
    sess2.post login_path,
               params: { {email: user2.email,
                          password: user2.password} }
    sess2.assert_response :found
    sess2.assert_redirected_to root_path
    sess2.follow_redirect!

    sess1.get login_users_path
    sess1.assert_response :success
    assert_match /@#{user1.username}/, sess1.response.body
    assert_match /@#{user2.username}/, sess1.response.body
  end
end

繰り返される処理をDSLのメソッドにまとめる例

上述のシンプルな例を見てみると、ログイン処理などで、対象とするセッションは異なるものの、ほぼ同じ処理が繰り返されていることが分かります。 こういった繰り返される処理は、特定のテストで用いるセッションのDSL (Domain-Specific Language) としてまとめることが出来ます。

以下のテストコードは、テストの手順や内容は上述のシンプルな例と同じですが、今度はこのDSLを用いてコードの繰り返しを排除したものになっています。なお、テストコードの読みやすさの観点でも、こちらの例の方が良くなっているのではないでしょうか。

require "test_helper"

class MultipleSessionWithDSLTest < ActionDispatch::IntegrationTest

  test "login users page" do
    user1 = users(:one)
    user2 = users(:two)

    sess1 = open_session_with_dsl
    sess2 = open_session_with_dsl

    sess1.login(user1)

    sess1.get_login_users
    assert_match /@#{user1.username}/, sess1.response.body
    assert_no_match /@#{user2.username}/, sess1.response.body

    sess2.login(user2)

    sess1.get_login_users
    assert_match /@#{user1.username}/, sess1.response.body
    assert_match /@#{user2.username}/, sess1.response.body
  end

  private

    module CustomDsl

      def login(user)
        get login_path
        assert_response :success
        post login_path,
               params: { {email: user.email,
                          password: user.password} }
        assert_response :found
        assert_redirected_to root_path
        follow_redirect!
      end

      def get_login_users
        get login_users_path
        assert_response :success
      end
    end

    def open_session_with_dsl
      open_session do |sess|
        sess.extend(CustomDsl)
      end
    end
end
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