「Ruby on Rails」のバージョン7から、Hotwireという機能が入ったんですけれども、これも、たぶんベロシティをケアしているからこそ生まれたテクノロジーなんじゃないかなと思います。
(中略)
非常に興味深いことで、昔は、Railsアプリケーションは例えば、「15分でWebアプリケーションを作りました」みたいなデモをしていたわけなんですけれども、極端な話、現代的なシングルページアプリケーションを15分で作ることができるようになるという希望が、これによって与えられたということだと思います。
meta-tagsはRuby on Railsのtruncateヘルパーメソッドを最終的に呼び出しますが、このヘルパーメソッドをラップするメソッドを内部に持っています。このラッパーメソッドの引数であるnatural_separatorを省略してのメソッド呼び出しがmeta-tags内に存在し、v2.19.0までは、この省略時のnatural_separatorのデフォルト値がスペース文字であるため、スペース文字のところでの切り詰めが発生しています。
commonmarker v1.xは、出力の編集が必要ならまだ時期尚早?
2023/12/25にcommonmarker v1.0.0がリリースされました。 それから4ヶ月以上が経過していますが、v1.xを採用せずにv0.xに留まっているライブラリやプロジェクトが多いように見受けられます。
たとえば、 jekyll-commonmarkのgem指定や commonmarker-rougeのgem指定は、 2024/05/13現在ではv0.xになっています。
v0.xで出来ていた編集操作がv1.xではまだ出来ない?
commonmarkerにMarkdownを入力して、出力されたHTMLをそのまま使う分には現在のv1.xで十分でしょう。 しかし、スタイル変更やJavaScriptによる機能付与などで、出力されるHTMLを多少変更したいことがあります。 v0.xではこういうときに使えるものとして、任意のHTMLを挿入する方法があったのですが、少なくともこのv0.xの方法はv1.xでは出来なくなったようです。
Pluginの活用か何かで、v1.xでもv0.xと同じように、出力のHTMLを部分的に好き勝手な形に編集することは出来るのでしょうか? ご存じの方がいらっしゃいましたら、コメントをいただけると嬉しいです。
WSL2上にてrails serverで立ち上げたサーバに別デバイスからのアクセスを可能にする方法
別デバイスからhttpsで
rails server
にアクセスする方法前述の方法で別デバイスからhttpでアクセスできるようになりますが、httpsでアクセスする必要がある場合には、
local-ssl-proxy
を使ってhttpsをhttpに振り向けることで、httpsアクセスが可能になります。具体的な方法は以下をご覧ください。 なお別デバイスからhttpsでアクセスするには、前述のポートフォワーディングとファイアウォールの設定をhttpsのポート番号で行う必要があります。local-ssl-proxyを使ってhttpsでhttp://localhost:3000/へアクセスする方法
背景
Webの機能には、httpsでアクセスしているときにしか利用できないものがあります。 例えば、navigator.clipboardを用いてクリップボードへ書き込む機能はhttpsでアクセスしているときにのみ利用可能です。 ローカル環境においてhttpで走っている開発中のアプリに対して、こういった機能をテストするために、httpsでアクセスしたい場合があります。
ローカルでhttpsアクセスをhttpアクセスへ振り向ける方法
以下のコマンドを実行すれば、httpで走っている( http://localhost:3000/ )アプリに、ブラウザからhttps( https://localhost:3001/ )からアクセスできるようになります。
なお、アプリが走っているPCとは別のデバイスからアクセスする場合には、httpのポートのために行ったポートフォワーディングやファイアウォールの設定がhttpsのポートにも必要となります。
余談その1
Copilot先生によれば、httpで走っているアプリにhttps相当でアクセスするための別の方法としては、以下のものがあるそうです。
なお、Copilot先生の回答全文はこちらです。
余談その2
local-ssl-proxy
は、Copilot先生に教えてもらいました。Google検索ではlocal-ssl-proxy
にはたどり着いていませんでした。importmap-railsは、2.x系でiOS 16.3以前のサポートを打ち切りました。
回避策が公式リポジトリのREADMEに掲載されたので、回避策のところを更新しました。
w3c_validators gemでNu validatorのコンテナイメージを利用する場合
Nu validatorのコンテナイメージである
ghcr.io/validator/validator:latest
をローカルで走らせて、 これをw3c_validators
のW3CValidators::NuValidator
から使う場合は、以下ようにuriを指定してnewすれば動きます。ちなみに、ローカルで走らせたNu validatorに切り替えたところ実行時間がだいぶ減りましたので、
w3c_validators
が遅いと感じている方はローカル実行を試すと良いかもしれません。慣れればコンテナを走らせるのはサクッと出来ますよ。まつもとゆきひろ氏のHotwire評
Rubyの生みの親・まつもとゆきひろ氏が、ベロシティ(つまり開発速度)の向上や維持のために生まれた技術なのではないかとHotwireを評している記事です。
全文はこちらから。
captureを使ってform_withのようにblockを活用したヘルパーメソッドを作る
背景
Railsのactionviewのヘルパー関数には、
form_with
のように、blockを活用して入れ子のHTML要素を記述できる便利なヘルパーメソッドがあります。 具体的には、以下のような記述(Railsガイドより引用)が出来るヘルパーメソッドです。blockを用いてHTML要素の入れ子を出力できるこのようなヘルパーメソッドの自作に関する話です。
作り方
actionviewの
capture
というヘルパーメソッドを用いると、form_with
のように、blockを使ってHTML要素の入れ子を記述できるヘルパーメソッドを自作できます。ちなみに、この
capture
は、Railsガイドを読んでも、RailsのAPIドキュメントを読んでも、いまいち使い道が分かっていなかったのですが、このような自作ヘルパーで使うというのが1つの使い道のようです。自作ヘルパーメソッドの実装例
自作ヘルパーメソッドの利用例
ERBから利用
出力結果
Rubyのコード内から利用
出力結果
Rubyのコード内からblockなしで利用
出力結果
importmap-railsは、2.x系でiOS 16.3以前のサポートを打ち切りました。
問題
importmap-railsはv2.0.0で、「ネイティブでImport mapsに対応していないブラウザでImport mapsを機能させるためのshims」の利用を打ち切りました。 一方で、iOS 16.3以前に搭載されているSafariブラウザは、ネイティブではImport mapsに対応していません。 したがって、importmap-railsを1.x系から2.x系にバージョンアップすると、iOS 16.3以前のデバイスではJavaScriptを利用したRailsアプリが動かなくなります。 このことは、この打ち切りのプルリクエスト #216で議論されているように、開発陣に既に認識されており、認識した上での打ち切りとなっています。
なお、特にiOS 15は、2024-01-22にセキュリティアップデートが出ているAppleがサポートをまだ続けているOSであるにもかかわらず、最新の15.8.1へアップデートしたデバイスであってもRailsアプリが動かなくなるため要注意です。
(参考)iOS 15とiOS 16の状況
以上から、iOS 15とiOS 16のデバイスは、2024年2月現在まだまだ利用されていると言えます。
回避策
importmap-railsを用いたRails 7アプリで、iOS 16.3以前をサポートするには、 以下のように
javascript_importmap_tags
の前にes-module-shims
を入れます。 詳細は、GitHubの公式リポジトリのREADMEの該当部分(Supporting legacy browsers such as Safari on iOS 15)を参照してください。参考情報
WSL2上にてrails serverで立ち上げたサーバに別デバイスからのアクセスを可能にする方法
背景
WindowsのWSL2環境でRailsアプリを開発しています。開発しているWebアプリに関してAppleのSafariブラウザでの動作確認が必要になりました。そこで、同一LAN内にあるiPhoneやiPadといった別デバイスから、WSL2環境において
rails server
コマンドで走らせたサーバへ、アクセスできるようにしました。手順
LAN接続の設定
後述のファイアウォールの設定にて、プライベートネットワークに限定する設定をする場合には、Railsサーバを走らせているPCのLAN設定で、ネットワーク プロファイルをプライベートにしておきます。
WSL2で走っているLinuxのIPアドレスの確認
ifconfig
の出力のinet
のところなどで、WSL2で走っているUbuntuなどのLinux OS側のIPアドレスを確認し、転送先アドレスとして控えます。LinuxのIPアドレスが正しいことの確認
まず、
bin/rails server -b 0.0.0.0
でWSL2上でRailsサーバを起動します。次に、このRailsサーバに、WSL2環境ではなくWindows上で普通に走っているブラウザから、先ほど調べたWSL2で走っているLinuxのIPアドレスに対し http://(LinuxのIPアドレス):3000/ というようなアドレス(ここではポート番号を3000としていますが、別のポートをRailsサーバに用いている場合はそのポート番号に変更して下さい)でアクセス出来ることを確認します。
ここでアクセスに失敗するようでは何かしらが間違っていますので、まずはこのようにアクセス出来るようにしましょう。
ホストOSであるWindowsのIPアドレスの確認
ipconfig
などで、Windows側、つまり、ホストOS側のLAN上でのIPアドレスを確認し、転送元アドレスとして控えます。ポートフォワーディングの設定
管理者権限で以下のコマンドを実行します。なお、特に理由が無ければ、転送元ポートは転送先ポートと同じ(3000)で大丈夫です。
ファイアウォールの設定
Windowsのファイアウォールの設定にて、「受信の規則」として以下の設定を追加します。
なお、ファイアウォールの設定にて、プライベートネットワークに限定したり、テスト時以外は無効にしたりするなど、セキュリティには十分に配慮をして下さい。
接続確認
同一LAN内の別デバイスから、 http://(WindowsのIPアドレス):(転送元ポート)/ というようなアドレスでアクセス出来ることを確認します。
参考情報
meta-tags側のtruncateでは、スペース文字のところで切り詰めが行われます
問題
meta-tagsはtitleやdescriptionをSEOに適切な長さまでに切り詰めますが、titleなどの中にスペース文字が含まれていると、スペース文字のところで切り詰めてしまいます。そのため、文章の先頭付近のみにスペース文字がある文章は大幅に切り詰めが行われてしまいます。
例えば、次の文章にあるスペース文字は10文字目のところのみです。
したがって、80文字に切り詰める設定であっても、この10文字目のところで切り詰められて「Microsoft」となり、80文字に比べ大幅に短い文字数に切り詰められることになってしまいます。
回避策
回避策はいくつかあります。
v2.21.0で追加された'truncate_on_natural_separator'の設定を利用する
設定ファイルである
meta_tags.rb
の中で、以下の記述を行うことで、スペース文字のところで切り詰めなくなります。詳細はmeta-tagsの設定のtruncate_on_natural_separator
の説明をご覧ください。アプリケーション側で切り詰めを行う
meta-tagsに渡す前に、あらかじめアプリケーション側で切り詰めを行うことでも、この問題は回避できます。なお、meta-tagsの設定によっては、meta-tags側での切り詰めをオフにすることも出来ます。設定方法についてはmeta-tagsのREADMEを参照してください。
(参考)内部的な原因
meta-tagsはRuby on Railsのtruncateヘルパーメソッドを最終的に呼び出しますが、このヘルパーメソッドをラップするメソッドを内部に持っています。このラッパーメソッドの引数であるnatural_separatorを省略してのメソッド呼び出しがmeta-tags内に存在し、v2.19.0までは、この省略時のnatural_separatorのデフォルト値がスペース文字であるため、スペース文字のところでの切り詰めが発生しています。
v2.21.0からは、前述の引数natural_separatorが廃止され、ラッパーメソッド内で前述の'truncate_on_natural_separator'の設定値が与えられるようになっています。ですのでこの設定値を変えることで、スペース文字のところで切り詰めなくしたり、任意の文字での切り詰めたりすることが可能になりました。